【10月13日開催】杉原保史先生の『カウンセリングへの社会正義アプローチ』セミナー

そのカウンセリングは無自覚に社会の不公正を維持するものになっていませんか？

そのカウンセリングは無自覚に社会の不公正を維持するものになっていませんか？

10月13日（日）、オンラインサロン『L&C.Labo』にて、臨床心理学、カウンセリング心理学を専門として、対人援助を実践し、研究されている杉原保史先生のスペシャルセミナーを開催いたします。

セミナー内容

オーソドックスなカウンセリングの理論では、個人の心は、しばしば個人の内部に閉じたものとして概念化されてきました。その結果、差別、偏見、ハラスメント、いじめ、貧困など、現在の現実のさまざまな社会的要因は、個人の心の不調に大きな影響を及ぼすものでありながら、カウンセリングにおいては周辺化されてきました。

現在の多くのカウンセリングは、「クライエントの苦悩は、社会の側が１ミリも変化せずに、クライエント個人が変化することによって解決可能である」という前提でデザインされ、実践されているように見えます。

さらに、過去数十年にわたって社会全般に新自由主義的な思考様式が広がり、自己責任の比重が大きく捉えられるようになったことで、心の苦悩を個人の問題とのみ捉える傾向は一層強まりました。

その一方で、20世紀を通して、フェミニスト・カウンセリングや、多文化間カウンセリングなど、マイノリティの権利擁護と連動して、社会の側の問題を明確に取り上げるカウンセリングの流れが強まってきました。これらの流れは、コミュニティ心理学、ナラティブ・セラピー、精神分析の倫理的転回などを巻き込みながら、社会正義アプローチと呼ばれる大きな傘の下に緩やかに連合し、もはや周辺勢力とは言えない勢力をもつに至っています。

今回のセミナーでは、カウンセリングにおける社会正義アプローチについて、基本的なところからやさしくお話しします。